2014-11-01(土)15:00~
福田ひかりさんのピアノリサイタル「古典調律で聴くバッハVol.1」
で、音律についてお話させていただく機会を頂きました。
調律師の目から見た「魅力的で奥が深い音律の世界」を感じていただけるようにがんばります。
ご存知、バッハは1700年頃に活躍した作曲家です。
ちょうどその頃に、調律法の大きな変化が表れます。
それ以前、ルネサンスの時代には、教会のパイプオルガン調律法の、ミーントーン(中全音律)が主流だったようです。
その調律法は祈りを旨として設定された、純正3度の響きが一番の特徴です。
しかし、神様のいたずらか、8個の純正三度を組み込むと、完全に狂った和音を含まざるを得ません。
時代と共に、その狂った和音が緩和されるようになります。
チェンバロが全盛期を迎えた頃、24のすべての調のそれぞれの美しさが認められる、素晴らしい調律法が編み出されるようになりました。
中でも、バッハが図(印章)で示したとされる、7つの純正五度と5つの濁った五度からなる調律法は、ミーントーン音律からピタゴラス音律まで、和音がグラデーションのように組み込まれ、作りたい音楽に応じて選択できるほど多彩なパレットが用意されます。
このリサイタルで、バッハの音楽に長く取り組んでこられた福田ひかりさんの「古典調律法で聴くバッハVol.1」で演奏される、インヴェンションとシンフォニア(全曲)は、この時代の調律の特徴がたいへん分かりやすく現されるものであろうと、とても楽しみにしています。
皆さんも、ぜひ足をお運びください。みなさんにとっても貴重な1ページとなると感じています。
時:2014-11-01(土曜日)14:30開場
場所:ピアノ工房アムズ 0868-27-2100 岡山県津山市大田316