ピアノの部品の、羊毛のフェルトやクロスを食べる虫がいます。
特に、鍵盤のブッシングクロスやパンチングクロスの被害が多く、鍵盤がカタカタorぐらぐらするようになることがあります。
鍵盤の辺りに赤や緑の粉が見つかったら、すぐにも分解掃除や防虫などの対策をしなければなりません。フェルトやクロスの貼り替え修理が必要になる場合もあります。
ヒメマルカツオブシムシの食害
虫害で一番多いのがこのヒメマルカツオブシムシです。
春、下の写真のような甲虫(2~3mm)が、屋内に飛んできてピアノの中にも卵を産み、孵った幼虫(1~4mm)が、次の春までピアノの部品であるフェルトやクロスを食べ続けます。
ヒメマルカツオブシムシ予防に一番重要な時期は、サナギが成虫になる3月末から5月初め。窓の網戸や防虫剤が効果があります。
ヒメマルカツオブシムシの成虫が見つかるのは春。ノースポールなどの白い花の黄色い芯で蜜を吸っていたり、ピアノやタンスの中で育った成虫が、家の窓際などに停まっていることもあります。
ピアノの中で羽化した場合、早速交尾をして卵を産み、また10ヶ月近く部品を食べ続けます。何年も気づかずにいると、修理が必要なほどの食害に発展することもあるので、気をつけてください。
イガ(衣蛾)やコイガの食害
小さな蛾が家の中に飛んできて、ピアノのなかで卵を産み、幼虫が羊の毛で出来たフェルトやクロスを食べます。
年に何度も卵→幼虫→成虫を繰り返すそうです。
♪ ヒメマルカツオブシムシ・イガ・コイガ共に、防虫剤(樟脳・ナフタリン・パラジクロロベンゼン・エンペントリンなど)を、ピアノの内側につるしたり、下パネルを少し開けてほうり込んでおいたりすると少し安心ですが、
一方で、防虫剤の成分が人間にも少なからず害があるらしいので気をつけなければいけません。
時折グランドピアノの響板の上に置いておられ事がありますが、そこはNG。響きを止めたり雑音の原因になったり、響板の塗装にくっ付いてしまうこともあります。
防虫剤の例:
樟脳、ナフタリン、パラゾール、タンスにゴン・ミセスロイド・ムシューダーなど。
※注意書きをよく読んで使ってください。
修理例:
鍵盤フロントブッシングクロス・バランスブッシングクロス・バランスパンチング・フロントパンチングの交換。
♪ 虫害のひどい時の、鍵盤ブッシングクロスの貼り替えはこちらをご覧ください。
♪ 岡本ピアノ工房の昔に作ったサイト「虫害」もぜひご覧ください。
♪ Facebookページに「ヒメマルカツオブシムシの寝返り組写真」(幼虫)もUpしています。
♪ うんと喜んでいただけるようにがんばります。お気軽にご相談ください。
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